連載 「海の名前」 2024年9月号


〜 深海生物 〜

深海は一般的には200m以深の海域を指し、光合成に必要な太陽光がほとんど届かないため、表層とは環境や生態系が大きく異なります。高水圧・低水温・暗黒などの環境に適応するため、独自の進化を遂げ、想像できないほど特異な形態・生態を持つものもいます。深海では太陽光が届かず、植物(プランクトン)が光合成できないため生態系が大きく異なり、深海魚など表層とはまったく異なった形態や生態を持つ生物が棲息するほか、ウミユリやシーラカンスなど原始的な形態を持つ生物もいます。しかし、深海生物は意外と身近な存在で、サクラエビ、ホッコクアカエビ(アマエビ)、タカアシガニ、ズワイガニ、タラ、キンメダイ、アコウダイ、メルルーサなどのように、季節による移動や、昼と夜の明るさの差による移動などを行う種が多く、漁具や冷凍・運搬技術の発達により、食用として流通するようになっています。

<関連書籍>
「海の名前」(東京書籍刊)中村庸夫:著・写真


チョウチンアンコウ

メンダコ

ホウライエソ





海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。