連載 「海の名前」 2023年10月号


〜 カレッジ・フィヨルド 〜

カレッジ・フィヨルドは、アラスカのアンカレッジの東、プリンスウィリアムサウンドの北部に位置するフィヨルドの名前で、1899年にハリマン遠征中に発見され氷河に名前が付けられました。裕福な鉄道王エドワード・ハリマンは、北極圏の専門家、植物学者、生物学者、動物学者、地質学者、地理学者、鳥類学者、博物学者、古生物学者、昆虫学者、鳥類学者、芸術家、写真家、作家、医療チーム、ハンター、剥製師などを多数集め、アラスカの未踏破海岸を探索したのです。蒸気船SSジョージW.エルダーを再装備し、アメリカの多くの大学が資金を提供して学者を出し、総勢126人で行われ、発見された氷河には、その主だった大学の名前がつけられました。両岸にいくつもの氷河が流れ込む湾を発見し、カレッジ・フィヨルドと名付け、右側の氷河には男子校(Yale, Downer, Baby, Dartmouth, Williams, Amherst, Crescent) Glacier、左側に流れ込む氷河には女子校(Holyoke, Barnard, Wellesley, Vassar, Bryn Mawr, Smith) Glacier の名前をつけました。そして、最深部の長さ61km、幅2km、高さ122mの最大の氷河にハーバード氷河(Harvard Glacier)と名付けたのです。

<関連書籍>
「海の名前」(東京書籍刊)中村庸夫:著・写真


Harvard Glacier

Bryn Mawr Glacier

左からBryn Mawr, Smith, Harvard Glacier





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