連載 「海の名前」 2023年7月号


〜 海の氷 〜

北海道で見られる流氷はアムール川で凍った氷が海に流れ出したもので、こうした流氷が北海道に接岸して定着すると間の海水も凍り、一面の氷原となります。タテゴトアザラシが子育てを行うセントローレンス湾の氷は、セントローレンス川で凍った氷が流れてきたものです。南極大陸沿岸や北極海の海氷は海水が低い温度で凍ったもので、できはじめには氷の小片が波や風で動き周囲が盛り上がったハスの葉状の氷が出来ることもあります。南極やグリーンランド周辺などの氷山は大陸に雪が次から次に積み重なり、長い年月の間に上からの圧力で圧縮されて凍ったものが海に流れ出て、切り離されたもので巨大なものも見られます。

<関連書籍>
「海の名前」(東京書籍刊)中村庸夫:著・写真


北海道の流氷

南極の氷山

海水が凍り始める蓮の葉氷





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