連載 「海の名前」 2022年11月号


〜 太平洋 〜

1520年〜1521年に、ポルトガルの冒険家マゼランが世界で初めて、地球を西回りの航路で1周(実際は途中のフィリピンで亡くなった)したとされます。途中の南米大陸で大西洋と太平洋がつながる海峡=マゼラン海峡、を発見して大陸を横切って太平洋に出ました。その後、フィリピンまでの航海中、荒れ狂う大西洋と比べ海は実に穏やかだったため、"Mar Pacifico" (平和な海)と表現し、後に英語名パシフィック・オーシャン(Pacific ocean)が付けられ日本語で「太平洋」となりました。アジア、オーストラリア、南極、南北アメリカの各大陸に囲まれ、世界最大の海洋で、日本列島も太平洋に位置します。太平洋は地球表面のおよそ3分の1を占め、その面積はおよそ1億7970万平方キロで地球のすべての陸地を足したよりも広いです。南極大陸を取り囲む南極海とは南緯60度が境い目で、北太平洋と南太平洋の境目は赤道となります。北太平洋と北極海はベーリング海峡で隔てられ、南太平洋と大西洋との境界は、南アメリカ大陸最南端のホーン岬から南極大陸に至る直線です。インド洋との境界はマレー半島からスマトラ、ジャワを通り、ニューギニア島に至り、トレス海峡をこえてオーストラリア東岸をまわり南下してタスマニア島のサウスイースト岬に達し、そこから南極大陸に至る147°E線とされています。

<関連書籍>
「海の名前」(東京書籍刊)中村庸夫:著・写真


マゼラン海峡

南太平洋

ホーン岬





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