連載 「海の名前」 2022年8月号


〜 塩生湿地 〜

塩沼(えんしょう、英語:salt marsh)、塩性湿地、塩性沼沢は、海岸にある湿地・沼地で潮汐の干満の影響により、塩水と汽水に交互に冠水する地形です。干潟よりも陸寄りに多く、波浪の影響を受けにくい場所で、塩類を含んだ土地で生育できる塩生植物の繁殖が見られる場所です。多くの有機物が集まり、分解が行われる肥沃な場で、生産量が大きく生物が豊富です。渡り鳥の摂餌場としても重要で、ラムサール条約の登録地も多く、中緯度では葦原などになり、低緯度ではマングローブ林になることが多いです。渡り鳥ばかりか小型の鳥には主たる生活の場とすることもある場所です。

<関連書籍>
「海の名前」(東京書籍刊)中村庸夫:著・写真


沼沢草生海岸、サンフランシスコ湾

塩生湿地、ポーテージ、アラスカ

葦原、神奈川県





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