連載 「海の名前」 2022年3月号


〜 岬 〜

「岬」の元の意味は山に挟まれた谷をさし「峡」と同じ意味でしたが、明治時代に海図が製作され、海へ突出した陸地を指すようになったそうです。「岬」を意味する「崎」、「埼」、「碕」、「角」、「鼻」などあり、半島など陸の最先端部に多く見られ、岬は夜間や視界の悪いときに船舶に危険を及ぼすため、灯台、灯標などが設置されることが多いです。「岬」を人間の額に見立てて、岸の突き出た場所を「岸の額(ひたい)」と呼んだり、岬、半島などの突き出した先端や海に突き出した陸地のことを「出鼻」、「海角」とも呼び、細く突き出した岬を「海岬(かいこう)」とも呼びます。「御崎」とも書かれ、神々が鎮座する聖地として岬には神々を祭る神社や祠がある事が多いです。英語のCapeの語源はラテン語の頭の部分caput,で帽子のcapも同じ語源で、陸地の先端にある岬を差します。

<関連書籍>
「海の名前」(東京書籍刊)中村庸夫:著・写真


大王崎灯台、三重

喜望峰、南アフリカ

レインガ岬の灯台、ニュージーランド





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