連載 「海の名前」 2021年12月号


〜 虹 〜

虹は、大気中の水滴の中を光が通過する際に、水滴のプリズム効果により、波長によって分散して見られる大気光学現象です。虹は、対日点が中心となる円弧状の光の帯で、帯には様々な色の光が並び、端は必ず赤と紫となります。雨上がり、水しぶきをあげる滝、太陽を背にしてホースで水まきをした時や、月の光でも虹は見られます。普通の虹は、観察者を基点として、太陽とは正反対の方向に出て、対日点は観察者から見れば地平線の下にあるので、虹は半円状に見えます。主虹(しゅこう)のはっきりとした虹の外側に、うっすらとした副虹(ふくこう)が見られることがあり、主虹は、赤が一番外側で紫が内側となりますが、副虹は逆に赤が内側、紫が外側となり、難しい物理の法則に従っているのです。

<関連書籍>
「海の名前」(東京書籍刊)中村庸夫:著・写真







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