連載 「海の名前」 2020年12月号


〜 海食洞門 〜

≪海蝕:海触:海食≫は波、潮流、海流など海水の動揺、海水の化学的作用、波の打ち上げによる湿気と乾燥、そして波によって動揺する岩や砂が海岸を構成する岩にぶつかり、海岸を削り地形を変化させる作用です。
≪海食洞窟:海蝕洞窟:海食洞≫は海食崖の基部につくられた洞穴の事です。現在の海面より高い所にある離水海食洞や海中の海食洞は、過去の海面の位置を示す指標として利用されます。海岸で生活した先史時代の人々はしばしばこうした洞窟や、隆起した洞窟を住居に利用したため、世界各地に遺跡が残されています。
≪海食洞門≫は海食洞窟の海食が更に進み、貫通してトンネルやアーチのように両側に開口したもので、海食洞門や天然橋と呼ばれます。
≪波食窪≫は海食崖の基部の潮間帯付近に海岸侵蝕によって出来るくぼみや洞窟のうち、奥行きより幅の大きいものをノッチ、波食窪と呼びます。

<関連書籍>
「海の名前」(東京書籍刊)中村庸夫:著・写真


ピンカン島(ジェームズ・ボンド島)、タイ、アンダマン海

鍋釣岩、奥尻島、北海道

穴通磯、大船渡、岩手





海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。