連載 「世界 水族館巡り」 2022年5月号


〜 ニューヨーク水族館 〜

1896年に、マンハッタン島の南端にあるバッテリー・パークにオープンしたアメリカ最古の水族館で、1957年に大西洋岸のブルックリンにあるコニーアイランドに移転したものです。アシカのショーやベルーガ、オタリア、ペンギン、セイウチ、ラッコなどが水中からも見られ、新しくできたサメの展示も見ものです。マンハッタンから地下鉄で1時間、コニーアイランドの海岸にあり、大規模水族館とは趣が異なり、こじんまりとした規模ですが、350種以上を飼育し、展示やイベント、研究などの活動をしており、地元で愛されています。施設は4つのエリアに分かれ、インド太平洋のサンゴ礁、アフリカの淡水湖、ブラジルの熱帯雨林などが再現されている「コンサーベーションホール」、アシカショーが行われる「アクアシアター」、屋外エリアで、アシカ・ラッコ・アザラシ・ペンギンたちに出会える「シークリフ」、サメを展示する「オーシャンワンダーズ:シャーク!」などがあり、ウミガメやエイ、熱帯魚まで同じ水槽で飼育され、生態説明や、プラスチックごみの危険を訴える教育的な展示もあります。私が一番印象的だったのは、地元NYの海に関する展示で、ハドソン川河口からハドソン・キャニオンという深い海谷まで、段階的な展示がなされており、マンハッタン近くの海の自然に驚きました。

<関連書籍>
「水族館!海の人気ものに会いに行こう」
(アスペクト刊)中村庸夫、武弘:著・写真
「水族館で遊ぶ」(実業之日本社刊)中村庸夫、武弘:著・写真
「水族館に行こう」(平凡社刊)中村庸夫:著・写真
「水族館ウォッチング」(平凡社刊)中村庸夫:著・写真


オーシャンワンダーズ:シャーク!

セイウチ

ベルーガ

シロワニ





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