連載　「ボルボックス水族館」　2013年05月号

ボルボックスの水槽で撮影された生物を紹介します

スズキ目ハゼ科チチブ属の魚で、河川の汽水域から中流域、汽水湖、ため池などに棲息し、北海道から九州に分布します。写真の個体は、干潮時の河口干潟で大きな流木によって作られた深めの潮溜まりで採集しました。干潟に多く棲息する小さいハゼの仲間と違い、川底に紛れて身を隠すことができないため、岩や倒木などの影に隠れて身を守る必要があるのではないかと思われます。干潟は砂泥で形成されていますが、本来は岩や倒木などの基底がある場所や礫底を好むそうです。様々な地方名があり、関東ではダボハゼと呼ばれます。

海の写真のボルボックス　　© 中村庸夫　無断転載を禁止します。