連載 「ボルボックス水族館」 2010年12月号

ボルボックスの水槽で撮影された生物を紹介します


〜 コトヒキ 〜

スズキ目・シマイサキ科・コトヒキ属の魚で、南日本から西部太平洋〜インド洋にかけて棲息し、産卵期は夏で、幼魚は黒潮に乗って関東にまで流されて来ます。秋には房総半島や三浦半島にも現れます。体長30cmほどになり、吻は丸く、体側に弓形の黒色の縦帯が3本入り、尾鰭にも数本の黒色帯が縦に入ります。鰾(うきぶくろ)を使って「グゥグゥ」と鳴くため、「琴弾き」の名前の由来になっています。幼魚は、同じ水槽内の他の魚の鱗を剥がして食べるという特異な魚で、相手を執ように追いかけ回して死に至らしめてしまうため飼育が大変です。

コトヒキ
コトヒキ

岩影に隠れるコトヒキ
岩影に隠れるコトヒキ




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