連載 「今月の赤ちゃん」 2024年9月号 |
〜 アオウミガメpart2 〜 アオウミガメ(Chelonia mydas)は、ウミガメ科・アオウミガメ属に分類され、インド洋、大西洋、太平洋などの熱帯から亜熱帯域に棲息します。甲長80-100cm体重70-230kgほどに成長し、「亀は万年」と言われますが寿命80年程度とされます。日本では屋久島が産卵地の北限とされ、奄美諸島、小笠原諸島、沖縄諸島などで多く産卵しています。20-25才ほどで性成熟し、日本では5-8月にかけて、基本的に自分が生まれた砂浜に戻って1シーズンに4回くらい、1回に100個程度の卵を深さ70cmほどの穴を掘って産み付けます。卵は太陽の熱で45-70日で孵化し、砂の温度により雄・雌が決まり29℃以上だと雌に、28℃以下だと雄になります。子ガメたちが陸上に出ようともがくと下に砂が崩れ落ち、地表近くに行き、陽が沈んで砂の中の温度が下がると地表に這い上がります。陸上動物や海鳥、大きなカニなどに襲われないため、急いで海を目指し、海面の反射などで明るい海に向かって水中に入りますが、水中でも大きな魚や海鳥に襲われるため、流れ藻に隠れて育ちます。幼体は流れ藻などに隠れて生活し、甲長30cm程になると沿岸域に戻り、潜ってカニやクラゲ、海綿、海草、海藻などの餌を採るようになります。頭部は丸みを帯び小型で吻端はあまり突出せず、頭部や四肢を覆う鱗は黄色く縁どられ甲板50cm以下では肋甲板や椎甲板に放射状の褐色斑が入る個体が多く、アサヒガメと呼ばれることも多いです。主にサンゴ礁の沿岸で成長しますが、ボートのスクリューに巻かれる、漁網に掛かって溺れる、海流に流され冷たい水温で死ぬ、餌が十分に採れない、また、南方の一部の地域では食用にされるなど、大人になれるのは数千分の1程度、といわれます。海域によっては昼間に海岸に上陸して甲羅干しをしますが、多くは孵化して海に入ると、海の中で暮らし続け、産卵期になると自分が生まれた砂浜の沖にやって来て、雄と雌が出会って交尾し、陽が落ちて暗くなると産卵上陸するのです。卵は直径4.3〜5.3cmの球形で、孵化直後の幼体は甲長5cm程です。和名「青海亀(アオウミガメ)」や英名"Green Sea Turtle"は体脂肪が青 (緑) 色であることに由来し、主食である海藻類の色素が脂肪に反映されることによると思われます。 |
産卵 |
孵化後、海へ向かう |
アサヒガメと呼ばれる若いアオウミガメ |
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