連載 「今月の赤ちゃん」 2023年9月号


〜 シロクマpart2 〜

シロクマ(ホッキョクグマ)は北極の氷上の生活のために体を進化させた特殊なクマで、保温性の高い毛皮、分厚い脂肪、短い足で寒冷な気候に適応し、雄の平均体重は385〜410kg程になり冬眠しないクマです。海が凍る冬に餌になるアザラシ狩りを行う習性があり、氷が解ける夏の時期は陸上でほとんど餌を食べずに過ごします。繁殖に参加しない個体は10月頃、沿岸の氷が張るのを待って、氷上に出て狩りを行います。妊娠した雌は12月末になると陸上の「デン」と呼ばれる巣穴にこもり、その中で握りこぶしほどの小さな子供を通常二頭出産します。子供が育ち、2月末から3月初めにかけて寒さに耐えられる大きさになり、毛皮を身につける頃、母親と共に穴から出てきます。その後、北極圏の寒さに体を慣らし、やがて餌となるアザラシを獲るため、氷の海へと出て行きます。


シロクマの子供

シロクマの親子

シロクマの親子





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