連載 「今月の赤ちゃん」 2023年3月号


〜 ラッコpart2 〜

【日本の水族館からいなくなる?】
我が国に初めてラッコがやって来たのは1983年で翌年、雌の赤ちゃんが誕生してラッコ・ブームが始まり、輸入と繁殖によりピーク時には全国に122頭もいたとされます。しかし現在は年老いた個体が3頭だけになり、もうすぐ日本の水族館で見られなくなるだろう、とされています。アメリカは厳しい海洋生物保護法および絶滅の危機に瀕する種の保存政策により輸出を禁止しています。カナダ、ロシアでも同様に保護され、北海道にも時々やってきますが捕獲は保護のみとされ、絶望的です。休息や睡眠時には集まってラフトを作り、陸上にも上がる習性がありますが、基本的に海上に浮かび、お腹の上で子育てし、貝を割って食べ、可愛い仕草で人気があります。野生ではカニ、貝、ナマコ、エビや動きの遅い魚などを食べ、1頭に8億本から10億本もの毛が生え、被毛が水を弾き、間に空気の層をまとって寒さから身を守っています。


水族館で生まれた子供

年老いたラッコ

野生の群れ





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