連載 「今月の赤ちゃん」 2021年9月号


〜 オハグロベラ 〜

スズキ目ベラ科の魚で琉球列島を除く千葉県、新潟県以南、西太平洋の温帯域に分布します。ベラ科の魚としては中型の種類で20cmほどになります。藻場や海藻の茂った岩礁域や磯などの浅い海に生息し、単独で生活しています。夜は海藻の根元や岩陰で休むと言われていますが、昼間から岩の窪みに体をはめ込んで休む姿を目にすることが多いです。雄は濃い緑色の体色で鱗が黄色く縁取られており、雌は赤みがかった黄褐色をしていますが、共に色彩の変異があります。眼の後方の鰓蓋の上部に暗色班があるのが特徴です。雄は頭部が黒みを帯びており、婚姻色で頭部が更に黒くなることでお歯黒のように見えることが和名の由来で、漢字では「御歯黒(鉄漿)倍良」と書きます。


オハグロベラの幼魚

オハグロベラの若魚

オハグロベラの成魚





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