連載 「今月の赤ちゃん」 2021年3月号


〜 ノドグロベラ 〜

スズキ目ベラ科の魚で、日本では南日本の太平洋岸、琉球列島、小笠原諸島に分布し、大きさは12cmほどになります。 浅い岩礁域やサンゴ礁域に生息し、ガレ場に見られ、幼魚は海底付近を漂う海藻などの浮遊物に擬態し、体をくねらせてユラユラと泳ぎ餌を探します。死滅回遊魚(季節来遊魚)として伊豆半島などで幼魚が見られるようです。雄は珍しく、あまり見ることがありません。雌雄で見た目が異なり、雌は密で大きさのバラけた黒い斑紋があるのに対して、雄は体側部分で整列した緑色の斑紋をしています。幼魚は背鰭と臀鰭に眼状斑があるのが特徴です。英名で「Blackspotted wrasse(黒い斑紋のベラ)」や「 Leopard wrasse(ヒョウベラ)」と呼ばれ、雌の模様を指していると思われます。和名の由来はあまりよく分かっていません。


ノドグロベラの幼魚

ノドグロベラの若魚

ノドグロベラの雌





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