連載 「今月の赤ちゃん」 2021年2月号


〜 キヘリモンガラ 〜

フグ目モンガラカワハギ科の魚で、相模湾以南の南日本からインド洋・西太平洋の熱帯域に分布し、モンガラカワハギ科の中で二番目の大型種で体長は最大60cmにもなります。水深50m以浅の岩礁域やサンゴ礁域に生息し、砂底の広がる環境を好みます。初夏から夏の産卵期には砂地の海底にすり鉢状の産卵床を作り、その中央に卵を産み、雌が卵を守ります。この時期は攻撃性が強くなり、近づくダイバーに突進してきて強力な顎で噛みついてくるので注意が必要です。幼魚は季節来遊漁(死滅回遊魚)として秋以降に三浦半島や房総半島でも見ることができます。名前は漢字で「黄縁紋殻」で、背鰭・臀鰭・尾鰭が黄色く縁取られていることが由来となっています。英名は「Yellowmargin triggerfish」です。


キヘリモンガラの稚魚の標本

キヘリモンガラの幼魚

キヘリモンガラの成魚





海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。