連載 「今月の赤ちゃん」 2020年12月号


〜 ナガサキスズメダイ 〜

千葉県および東シナ海の長崎県以南の日本各地に分布し、水深30mまでの岩礁域やサンゴ礁域などで、全長6cm程になるスズメダイの仲間です。模式標本が長崎県で発見された事から学名の種小名がnagasakiensisで、標準和名が長崎スズメダイとなったのです。大きな群れは作らず小グループで生活し、幼魚期には単独でいる事が多いです。幼魚期の体色は黄色の個体もいて、透明感のあるインディゴブルーやレモンイエローと奇麗で可愛らしいが成魚になると黒い体色になってしまいます。幼魚の頭部分に細やかに黒い模様が入り、鰭軟条部の眼状斑はっきりするが成魚でも消えずに残る個体もいます。産卵床は外からは見えない岩の隙間などのスペースや貝殻の間を利用し、卵のケアは主に雄が行うようです。


ナガサキスズメダイの幼魚

ナガサキスズメダイの若魚

ナガサキスズメダイの成魚





海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。