連載 「今月の赤ちゃん」 2020年11月号


〜 ヒゲペンギン(アゴヒゲペンギン) 〜

中型のペンギンで、体長は70cm-75cm、体重4kg-7kgほど。羽毛は腹側が白く、背中側が黒く、足はピンク色です。顔は白いが目は黒く、さらに目の後ろから喉を通る黒い帯模様があるのが特徴です。和名の「ヒゲペンギン」は喉を通る帯模様を「あごひげ」に見立てたもので、英名の"Chinstrap"は帽子やヘルメットのあごひものことで、喉を通る帯模様に由来しています。1781年に記載されたペンギンで、学名の種小名“antarctica”は南極を意味し、第二次世界大戦前に南極のペンギンといえばヒゲペンギンを指していました。そうした事から、「ナンキョクペンギン」の和名で紹介している書籍も多かったです。その後、南極の調査が進んでコウテイペンギン、アデリーペンギンなども発見され、もっと南にもペンギンがいる事が分かりました。多くの場合2個産卵し、メスが最初に抱卵し、5日から10日おきにオスとメスが交代しながら抱卵し、約35日後に灰色の産毛におおわれたヒナが孵化します。ヒナは約1ヶ月ほど親から給餌を受けながら成長し、更に大きくなったヒナはヒナ同士の集団「クレイシ」に集まり、2ヶ月ほど親鳥から給餌を受けながら集団生活を行います。その後、成長したヒナは成鳥の羽毛に換羽して海へ旅立ちます。産毛の雛はほぼ灰色であまり可愛くありませんが、大人の羽毛になると白黒ツートンでペンギンらしくなります。


卵を抱く

成鳥





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