連載 「今月の赤ちゃん」 2020年2月号


〜 パシフィックハーバーシール 〜

アメリカ、カナダ、アラスカなどの太平洋の高緯度に広く分布する、ゼニガタアザラシの亜種で、日本のゼニガタアザラシと良く似て、色が濃く銭形の斑様がある暗色型と、薄い灰色や薄い茶色に斑点が入る明色型でゴマフアザラシにそっくりなものまで、一頭一頭模様や色が違っています。また、棲んでいる場所により、氷の上にいるものはやや明るい色で、砂洲や泥地にいるものは茶色、岩場では黒や灰色が多いようです。英語では当たり前に見られるためCommon seal(コモン・シール)「普通のアザラシ」や、港でも見られるため Harbor seal(ハーバーシール)「港のアザラシ」などと呼ばれます。日本のゼニガタアザラシよりやや小型で、雄は体長180p、体重140sほどになり、カレイやタラ、ヒラメ、ニシン、サケそしてイカ、タコなどを餌にします。出産は、4月上旬から中旬にかけて氷の上や岩場、ビーチで行われますが、まれに水中で出産することもあるようです。赤ちゃんは母親の胎内で白い産毛を脱ぎ、親と同じ色の毛皮になって産まれてきます。赤ちゃんの体長は70〜80p、体重6〜9sほどで、産毛をまとった他のアザラシの赤ちゃんの多くは、生後すぐに泳げませんが、このアザラシは産まれた直後でも泳げます。授乳期間は1ヶ月〜1ヶ月半で、5月の後半になると赤ちゃんはひとり立ちします。


子供

氷の上の親子

海岸の親子





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