連載 「今月の赤ちゃん」 2018年11月号


〜 ハナゴイ 〜

ハタ科・ナガハナダイ属の全長15cm程になる美しい魚です。伊豆半島以南の太平洋西部〜中部の水面直下から水深60m程までの潮通しの良い岩礁やサンゴ礁で、多くの場合群れて生息し、流れに向かってホバリングしながら流れてくるプランクトンを捕えて食べます。名前は花のように美しく、鯉のように色彩鮮やかな事から海水魚ですが「花鯉」の名になったものです。ハナゴイは性転換する魚で、生まれた時は全て雌で、幼魚は雌のままです。体色は成魚と同じですが、鮮やかさが無く、背ビレも無地で地味です。幼魚は初夏以降、サンゴやウミシダ、イソバナの周りなどで暮らしています。成長につれて口先が尖り、性成熟した雌になり、その中の大型の個体が雌から性転換して雄になり、背びれが大きく、色鮮やかな赤に変わります。群れの中での優位性を示すため、時々背ビレを広げて周囲に見せつけるようになります。

<関連書籍>
「魚の名前」(東京書籍刊)中村庸夫:著・写真


ハナゴイ幼魚

ハナゴイ成魚の雄

ハナゴイ成魚の雌





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