連載 「今月の赤ちゃん」 2018年6月号


〜 フウライチョウチョウウオ 〜

西部太平洋からインド洋にかけて生息する魚で、学名はChaetodon vagabundusで、スズキ目チョウチョウウオ科に分類されます。種小名vagabundusはラテン語で「放浪」を意味するため、和名も学名にちなみ「風来坊」と付けられたのです。体長約20cmとチョウチョウウオ科のなかではやや大型で、模様は、白地に直交する細い黒線、目を通る太い黒帯があり、背びれから尾にかけて黄色いです。背びれ後方にもしりびれに向かって黒帯があります。成魚の尾には中央を通る太い横黒帯があります。幼魚は背びれから尾の付け根までがオレンジ色で交差する黒線も少ないです。背びれ後方上部に黒い大きな点があり、尾は透明です。幼魚は、季節来遊魚で知られ、夏から秋にかけて黒潮に乗って流れて本州沿岸で見られ、多くが幼魚で、水温が下がると見られなくなります。


フウライチョウチョウウオ幼魚

フウライチョウチョウウオ成魚

夜のフウライチョウチョウウオ成魚





海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。