連載 「今月の赤ちゃん」 2018年4月号 |
〜 イシダイ 〜
「タイ」と名が付きますが、タイ科ではなく、イシダイ科の魚です。和名は「イシダイ」で、体色は白地に7本の太い横縞が入り、特に幼魚や若魚、雌ではこの横縞が明瞭で「シマダイ(縞鯛)」とも呼ばれます。成長につれて雄は白・黒が互いに灰色に近くなり、縞が不鮮明になります。特に老成したオスは全身が鈍い銀色光沢を残した灰黒色となり、口の周辺が黒くなることから、「クチグロ」とも呼ばれます。日本近海に生息し、成魚は全長50cm程度で、稀に全長70cm、体重7kgを超える老成個体も見られます。体高が高く、口は上下の顎ごとに歯が融合し、頑丈なくちばしのようになっており、サザエの殻もかじって食べるため「サザエ割り」の名もあります。好奇心が強いことでも知られ、稚魚は波打ち際やタイドプールで人に接近し、子供が裸で泳ぐと身体を口で突いたりするため、「チンポカミ」の名もあります。東日本大震災による津波に流された漁船にイシダイが住み着き、太平洋を横断して約8000km離れたアメリカ合衆国ワシントン州まで生きて辿りついた記録があります。
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イシダイ幼魚 |
イシダイ若魚の群れ |
イシダイ雄の老成魚「クチグロ」 |
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