連載 「今月の赤ちゃん」 2017年6月号


〜 クロユリハゼ 〜

房総半島から南の西部太平洋、インド洋にかけてのサンゴ礁や岩礁域に生息する体長10cm程になる魚です。クロユリハゼと名が付きますが、オオメワラスボ科に分類され、ハゼ類とは異なり、海底から離れた中層を泳ぎます。体は細長く側扁し、第二背びれと尻びれが相対するのが大きな特徴で、優雅なホバリングを行っています。成魚は頭から半分はやや青みを帯び、後部は暗色で、黒いスカートを履いた様な姿です。幼魚は半透明で、鮮やかに着飾ったようにも見え、サンゴ礁では海底の風景に溶け込み見つかりにくくなっています。サンゴ礁や岩礁域の周辺の砂泥底の中層に生息することが多く、動物プランクトンなどを食べ、幼魚の間は群れをつくりますが、成魚は単独かペアで見られることが多いです。しかし、写真のように時々大きな群れを作り楽しませてくれます。


クロユリハゼの成魚

クロユリハゼの幼魚

クロユリハゼの群泳





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