連載 「今月の赤ちゃん」 2016年9月号


〜 アオアシカツオドリ 〜

カツオドリ科には4亜種がおり、世界中の熱帯・亜熱帯域に分布し、日本でも亜種のカツオドリが尖閣諸島など沖縄の離島や、伊豆諸島、小笠原諸島などで繁殖しています。全長は約80cm、翼開長152cm程の海鳥で、空中高くから水面近くの魚類や軟体動物などを探し、急降下して潜水して捕えます。集団繁殖地(コロニー)を形成しますが、進化の途中で巣作りはししなくなり、地面のへこみなどに卵を産みます。繁殖期には、過去に巣を作っていた頃の名残からか、小枝や羽根、小石などを相手に差し出す求愛行動が見られます。1回に1〜2個の卵を産みますが、先に孵化した雛が別の雛を殺すため1羽しか育たない事が多いそうです。「カツオドリ」の名はカツオの群れの上空を飛ぶことが多い事にちなみ、アオアシカツオドリ 「青脚鰹鳥」は足の部分が鮮やかな青い色からこの名前になりました。英名「ブービー」の意味は「まぬけ」で、「アホウドリ」と共に、陸上では警戒心が無く、動きが鈍く、簡単に捕えられてしまうためです。


アオアシカツオドリの雛

抱卵中のアオアシカツオドリの親

アオアシカツオドリの求愛行動(雄が雌に羽を送る)





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