連載 「今月の赤ちゃん」 2016年2月号


〜 オオトウゾクカモメ 〜

トウゾクカモメはカモメ科ではなく独立したトウゾクカモメ科の海鳥で、洋上でカモメやミズナギドリなどの水鳥を探して飛び回り、空中でしつこく攻撃し、獲物を奪い取ります。また、ペンギンやカモメ、ウミガラスなどの様々な鳥の繁殖地に飛来し、親鳥の隙を突いて卵を盗んだり、雛を捕食するため「盗賊鴎」です。中でもオオトウゾクカモメは、主に南極大陸周辺の島々で繁殖し、全長こそ50cm程ですが、翼開長は130cm程の大きな翼を持ち、繁殖期以外はほぼ世界中に飛来し、我が国にもやってきます。嘴は黒くてしっかりしており、翼に白色斑があり飛翔時にはかなり目立ちます。他の鳥の雛を襲いますが、自分は子煩悩で、せっせと餌を運んで育てます。縄張り意識が強く、巣の付近に他の個体が入ると攻撃して追い払います。雛も気が荒く、接近すると嫌なにおいのする唾をかけてきます。


巣で子育てをする

イワトビペンギンの卵を盗んだ

集団でロイヤルペンギンを襲う





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