連載 「今月の赤ちゃん」 2015年12月号


〜 スミツキベラ 〜

スズキ目ベラ科の魚で、静岡県以南の太平洋岸から南日本、小笠原諸島、琉球列島、西・中央太平洋、インド洋の沿岸の岩礁やサンゴ礁に棲息します。成魚の体長は22cm程度で、高緯度ではやや深い岩礁にも棲みますが、サンゴ礁域では浅い部分で見られます。幼魚は浅いサンゴの下や岩の割れ目などに隠れ、体全体が濃い茶褐色で、白の水玉模様があり吻が白いですが、成長するにつれ白い部分が消え、体色も著しく変化します。成魚になると前半分がやや暗い赤褐色、後方部分は淡色や白となり、尾鰭は黄味を帯び、胸鰭基部・尻鰭・背鰭に黒色斑があります。和名の「スミツキ」は成魚の黒色斑が墨を付けたようなことに由来し「墨付倍良」です。


スミツキベラの幼魚

スミツキベラの幼魚

スミツキベラの成魚





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