連載 「今月の赤ちゃん」 2015年7月号


〜 ホンソメワケベラ 〜

南日本を含む太平洋、インド洋にかけての岩礁やサンゴ礁に棲息する、体長12cm程度のスズキ目ベラ科の魚です。白い体色に吻から尾鰭にかけてだんだん太くなりながら伸びる黒い縦帯が特徴的で、他の魚についた寄生虫を食べてクリーニングすることでよく知られています。名前は、似た魚で体の前後で黒と黄色に「染め分け」られている「ソメワケベラ」より体が「細い」ため、もともと「細染分倍良(ホソソメワケベラ)」と名づけられていたのが、カタカナの「ホソ」と「ホン」を間違えたために、「本染分倍良(ホンソメワケベラ)」となったそうです。「掃除魚」として有名な魚で、英名もBluestreak cleaner wrasse(動きが素早い掃除魚)です。幼魚は成魚と色味が異なり、黒地に青白い縦帯があります。


ホンソメワケベラの幼魚

ホンソメワケベラの成魚

コブダイをクリーニングするホンソメワケベラ





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