連載 「今月の赤ちゃん」 2015年6月号


〜 アジアコショウダイ 〜

南日本を含む西部太平洋、インド洋までの暖かな海に棲息する、体長50cm程度のスズキ目イサキ科の魚です。体型は鯛に似ていますが鯛類ではありません。コショウダイ属の漢字名は中国名の「胡椒鯛」からくるものとされ、体側にちりばめられた黒斑がその由来とされます。また、江戸時代、殿様の後ろに控えていた「小姓」の装束によく使われた黒い斑点模様から「コショウダイ」となったとの説もあります。アジアコショウダイは、アジアの海域に多い「コショウダイ」という意味です。コショウダイ属を英語ではその厚ぼったい唇からsweetlips(魅惑的な唇)と呼び、アジアコショウダイはPainted sweetlip、またはSpotted sweetlipsです。幼魚には白地に黒色の帯がありますが、成長するにつれ黒色帯は小さい黒斑へ、体色も白色から青灰色へと変化していきます。


アジアコショウダイの幼魚

アジアコショウダイの幼魚

アジアコショウダイの成魚





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