連載 「今月の赤ちゃん」 2015年3月号


〜 メジナ 〜

北海道南部以南、朝鮮半島南岸や東シナ海沿岸の外洋に面した浅い岩礁域に棲息する、体長50cm程になる魚です。青黒色で、口や頭部が小さく、目の位置が吻に近いのが特徴です。近似種クロメジナとの違いは、鰓蓋の後縁が黒くはなく、尾鰭の上下両葉が伸びないところです。メジナ科の歯は先が三つに分かれる三尖頭で、歯が2〜3列がメジナ、1列がクロメジナです。この魚の特徴から名前は「目近魚(メジカナ)」の転訛で「メジナ」となったのであろうとされ、「眼仁奈(メジナ)」、「目仁奈」は当て字です。磯釣りの好対象で、関西ではメジナ科の魚は磯の瓦礫場(ガレ場)」で釣れることの転訛で「グレ」と呼び、特にこのメジナを「口太ぐれ(クチブトグレ)」、九州では体色から「黒(クロ)と呼びます。幼魚は背が青みを帯び白いまだらがあり、腹面は銀白色で、タイドプールの浅瀬で群れで泳いでいるのを見ることができます。


メジナの幼魚

潮溜まりに身を隠すメジナの幼魚

メジナの成魚オス





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