連載 「今月の赤ちゃん」 2014年10月号 |
〜 ヤリカタギ 〜
日本では駿河湾以南の中・西部太平洋からインド洋にかけての水深30m以浅のサンゴ礁域に棲息する、体長18cmほどになるチョウチョウウオの仲間です。テーブルサンゴなどミドリイシ系のサンゴの周辺に棲み、ポリプを餌としています。チョウチョウウオ科の中では一番スレンダーな体型をしており、幼魚時代は、体の後方が黒く尾鰭は黄色と白だけですが、成長するにつれて黒い部分が後ろにずれ、成魚になると尾鰭に完全に移動してしまいます。名前は、背鰭の棘が長く伸びて、槍を担いだように見える事から、「ヤリカタギ」と呼ばれ、他に「槍気質」、「槍形木」、「槍担ぎ」などとも記されます。英名は体側の模様からchevron butterflyfish(山形袖章のチョウチョウウオ)で、このchevronとは、軍の下士官や警察官が腕につける階級などを表す逆V字型のワッペンの事です。
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ヤリカタギの幼魚 |
ヤリカタギの幼魚 |
ヤリカタギの成魚 |
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