連載 「今月の赤ちゃん」 2013年11月号 |
〜 ウナギ(ニホンウナギ) 〜
日本各地の川や湖に棲息する長くぬるぬるした体の魚で、天然ウナギはフィリピン東方沖の深海で生まれ、海流に乗って日本までやって来て「シラスウナギ」として川を遡上し、淡水中で成長し、10年ほどすると産卵のために、海に戻り南に下るとされています。奈良・平安の頃は「ムナギ」と呼ばれ、屋根の棟に使う長くて丸い「棟木(むなぎ)」のような魚とも表現されていました。ウに意味はなく、「ナギ」は体が長い「ナガ」が転じたものともされます。「鰻」の「曼」は「長い」という意味であり、「身長(むなが)」と呼ばれていたことにちなむともされます。また、胸鰭のあたりが黄色いことから「胸黄(むなぎ)」が「ウナギ」となった説もあります。滋養強壮に効果があることが知られ、江戸時代に平賀源内と大田蜀山人が「土用丑の日」にウナギを食べて元気になろう、と世間に広めたものがすっかり定着したという話は有名です。最近では数が激減していることから、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されていて、研究や養殖の試みが進められています。
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シラスウナギ |
ウナギの幼魚 |
ウナギの成魚 |
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