連載 「今月の赤ちゃん」 2013年07月号 |
〜 イトヒキアジ 〜
関東以南、全世界の熱帯・亜熱帯域の内湾など沿岸の水深100m以浅に棲息し、体高が高く扁平した、体長150cmにもなる魚です。背鰭と尻鰭の前部軟条が長く伸び、幼魚は菱形の体型に「く」の字形の暗色横帯があり、鰭が体長の数倍の長さになりますが、成長にともなって比率が小さくなります。名前もこの糸を引くような鰭に由来して、「糸引鯵(イトヒキアジ)」で、学名Alectis ciliarisの、種小名ciliarisも長い毛のような鰭に由来します。髪飾りのかんざしのように見えることから「簪鯛(カンザシダイ)」や、のぼりを立てているような姿から「幟立て(ノボリタテ)」など姿にちなむ地方名がたくさんあります。台湾や中国では「糸鯵」、「短吻糸鯵」などと書かれます。
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イトヒキアジの幼魚 |
イトヒキアジの若魚 |
イトヒキアジの成魚 |
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