連載 「今月の赤ちゃん」 2013年06月号


〜 ナヌカザメ 〜

メジロザメ目トラザメ科のサメで、北海道南部から南西諸島にかけて分布し、体長1,3mほどになり、沿岸や沖合いの岩礁域や砂泥底に棲息します。泳ぎがあまり得意ではなく、海底でじっとしている姿がよく見られます。腹部が肥大しており、水や空気を飲み込み、フグのように腹を膨らませ、陸に揚げられても、その水を利用し、七日も生きていられるから、「七日鮫」といわれています。英名はBlotchy swell shark(皮膚にしみのある、膨れたサメ)で、模様と体型の特徴をよく表しています。この鮫の卵はウミウチワなどに絡めて産みつけられ、その形から「人魚の財布」とも呼ばれます。学名のCephaloscylliun umbratileの「umbratile」は「日陰者」といった意味合いです。


「人魚の財布」と呼ばれる卵 孵化したばかりの幼魚と卵 ナヌカザメの成魚

「人魚の財布」と呼ばれる卵

孵化したばかりの幼魚と卵

ナヌカザメの成魚





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