連載 「今月の赤ちゃん」 2013年05月号


〜 クマノミ 〜

関東以南の南日本と西部太平洋、インド洋にかけての水深55mまでの岩礁やサンゴ礁でイソギンチャクと共に棲息し、体長は15cm程になる魚で、日本では一番多くみられるクマノミ類です。「隈之実」の名は、歌舞伎役者の化粧「隈取(クマドリ)」の「クマ」に「ミ」がついたもので、「実(ミ)」は魚介の総称とされ、魚名の語尾につけられるものです。また、「隈」は隠れ場所を示し、イソギンチャクに隠れる習性からついたとの説もあります。一般的に、白く太いバンドが頭部と体側中央のやや後ろに2本あり、尾の色によっては尾柄部にもう1本の白いバンドがあるように見えます。クマノミ類で最も分布範囲が広く、そのため、地理的な隔たりによる体色、鰭の色の変異がかなりあり、宿主のイソギンチャクによって体色が真っ黒のものもいます。幼魚の体色は茶色を帯びた黄色で、成長と共に黒ずんできます。


クマノミの卵 クマノミの幼魚 クマノミの成魚

クマノミの卵

クマノミの幼魚

クマノミの成魚





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