連載 「今月の赤ちゃん」 2011年12月号


〜 チョウチョウウオ 〜

平らな体で、明るい色彩を持ち、蝶のようにひらひらと舞うためチョウチョウウオ「蝶蝶魚」です。チョウチョウウオ科には約130種がいますが、この魚は、チョウチョウウオ科の代表として「チョウチョウウオ」の種名で、当たり前に多く見られるところから別称で「並チョウ」と呼ばれます。西沙島、台湾から北のアジアの亜熱帯や温帯に棲息するため英語ではOriental butterflyfish 「東洋のチョウチョウウオ」です。日本では、琉球列島、小笠原諸島から房総半島にかけて見られますが、サンゴ礁域には少なく、奄美大島以北の温帯の岩礁域に多いです。藻類やソフトコーラルの1種のヤギやカイメンなどを食べ、全長約20cmに成長し、時に大きな群れを作ります。黒潮に乗って流され5月下旬〜12月下旬に、房総半島や伊豆半島の磯やタイドプールで幼魚が見られます。しかし、本州中部のものは水温が低いため、冬を越して成長しても生殖線が発達せず、繁殖しません。幼魚はオレンジが濃いですが、成長につれて色あせた黄色に変わってきます。

関連書籍
『チョウチョウウオの地球』(マリン企画)
『チョウチョウウオ ガイドブック』(阪急コミュニケーションズ)


チョウチョウウオの幼魚 チョウチョウウオの成魚 チョウチョウウオの群れ

チョウチョウウオの幼魚

チョウチョウウオの成魚

チョウチョウウオの群れ





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