連載 「今月の赤ちゃん」 2011年4月号 |
〜 コククジラ 〜
北太平洋だけに棲息する髭クジラの仲間で、寿命は50-60年と考えられますが、体長は大人でも12-14mと、比較的小型。日本近海も回遊路に当たり、昔は捕鯨の対象になっており、小柄であることに由来して児鯨、稚児鯨、などとも呼ばれたそうです。産まれたばかりの子供は黒いが、年を経ると灰色となり、全身にフジツボやエボシガイ、クジラジラミなどの寄生生物が付着するため、まだら模様となる。背びれは無く、背中から尾部にかけて数個の小さな瘤が連なっています。多くは、アメリカ西海岸の沿岸部を往復し、メキシコ沿岸で繁殖し、餌場の北極海やベーリング海との間を2万kmも回遊する。ホエールウォッチングのボートに接近して体をさわらせてくれることもあります。コククジラは海底の泥や砂をヒゲで濾し取りカニなど甲殻類を捕食するため、鯨髭は短く硬く、色は左右非対称で、左側が黒く、右側は黄色に近いのです。
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体が黒い赤ちゃん |
体が灰色になった親 |
成長した親は付着生物によって白く見える |
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