連載　「今月の赤ちゃん」　2011年1月号

スズキ目・イサキ科・コショウダイ属の魚で、成魚の体長は40cmほどです。以前は、駿河湾以南の日本で見られるムスジコショウダイと、インド洋のモルジブなどに多く見られるインディアングラントと呼ばれる魚は別種とされていましたが、最近は同一種として扱われるようになりました。 稚魚・若魚は暗色の地に淡い色の斑紋が迷彩色のように散在し、体の後ろ半分をくねくねとゆすって踊るように動きます。しかし、成長に伴って淡い色が地色となり、6本の暗色帯となり、潮の流れに向かってゆったりと泳ぐようになります。日本で見られる固体は岩礁域やサンゴ礁域で単独生活をしますが、モルジブでは岩陰などに群れて行動しています。名は、唇の厚いコショウダイ属を代表するコショウダイの体表に胡椒の実の様な小黒点があることに由来し、その仲間で6本の筋があるからムスジコショウダイです。英名はOriental sweetlipsで、sweetlips「甘い唇」はコショウダイ属の呼び名で、「東洋の甘い唇」です。

ムスジコショウダイの幼魚

ムスジコショウダイの成魚

ムスジコショウダイの群れ

海の写真のボルボックス　　© 中村庸夫　無断転載を禁止します。