連載　「今月の赤ちゃん」　2010年12月号

世界最大のアシカ科の動物（体長4m、体重1.1ton）で、北海道から千島列島、サハリン、カムチャツカ半島からアラスカ、カナダ、そしてカリフォルニアまで、北太平洋の寒冷な海域に棲息します。雄1頭に対し雌が10〜15頭のハーレムを作って繁殖し、最初に雄が繁殖地に上陸して海岸にテリトリーを作り、そこに後から雌が上陸して出産、交尾を行います。餌はミズダコやニシン、スケトウダラ、タラなどさまざまな魚で、天敵はホホジロザメやシャチだけと考えられています。昔は漁業関係者から「海のギャング」と呼ばれ、有害鳥獣として自衛隊などにも駆除されていましたが、最近は、北海道のニシンが乱獲されるなど、漁業によって餌を奪われて激減し、絶滅危惧種に指定されています。体が大きく獰猛そうだが人間に慣れやすく、水族館などでショーも行われています。

産まれたばかりのトドの赤ちゃん

トドの親子

トドのオス

海の写真のボルボックス　　© 中村庸夫　無断転載を禁止します。