連載　「今月の赤ちゃん」　2009年12月号

「鯛」と付きますがタイ科では無く、スズキ目・イサキ科・コショウダイ亜科・コロダイ属に属します。成魚の体長は70cm程になり、本州中部以南の琉球列島からインド洋・西太平洋の浅海の岩礁域やサンゴ礁域やその周辺に生息します。 「胡盧鯛（コロダイ）」の名前の由来は、和歌山地方で猪の子を「胡盧（コロ）」と呼び、背中に縞模様があり、コロダイの幼魚がそれに似るところから、「猪の子の様な鯛」という意味でコロダイとなったものです。
英名のPainted sweetlipsは「彩色した甘い唇」やSilver sweetlips「銀色の甘い唇」は、コロダイの仲間の厚い唇にちなみます。またCommon thicklipped gruntは「普通の　厚い唇を持ち、水から出すとブーブー言う魚」との名前もあります。
幼魚は背鰭の前部の鰭条が長く、黄色から青色の地に黒い縦帯があり、ひらひらと体をくねらせて漂うように泳ぎ、人気があり、成長につれて青色の地に黄褐色の小斑点が増えて、縞模様が消えてきます。
幼魚は色、模様、泳ぎ方などを毒を持つゴンズイに似せて擬態している、とも考えられています。

コロダイの成魚

コロダイの若魚

コロダイの幼魚

海の写真のボルボックス　　© 中村庸夫　無断転載を禁止します。