連載 「今月の赤ちゃん」 2008年12月号
10月13日に水族館生まれの三世として誕生した、鴨川シーワールドのシャチの赤ちゃんの成長を追っています。まだお母さんのおっぱいを飲み、甘えていますが、やがて乳離れし、魚を食べるようになり、ジャンプを覚え、ダイナミックなショーを見せてくれることでしょう。 一般的にはシャチと呼ばれますが、標準和名は「サカマタ」(逆又、逆戟)で、高く立つ背びれが中国の「戟(げき)」という武器に見えるためとされます。 シャチの名の由来は諸説あり、「魚を追い込み、漁を助け、海の幸をもたらす”沖の神”」とのアイヌの言い伝えにちなむ説、波を起こし雨を降らせる頭が虎で体が魚の「鯱」ともされ、どちらも人間の役に立ってくれる、との意味があります。 名古屋城の鯱(しゃちほこ)は、屋根の棟瓦の端から雨水が進入するのを防止するのが目的でしたが、鯱は敵を防ぎ雨を降らす、防火の守り神として、城郭建築の装飾品となったそうです。 英名のKiller whale「殺し屋クジラ」、学名のOrca「魔物」と、我が国の呼び名は大きく異なります。
産まれる直前のシャチの赤ちゃん
生まれたばかりのシャチの赤ちゃん
お乳を飲むシャチの赤ちゃん
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