2023年9月のテーマ写真館




 《 氷の海の「クルーズ船」 》


一昔前、「クルーズ船」は「豪華客船」と呼ばれていました。海を渡り、大きな港を訪ね歩く船旅で、船でしか行けない「秘境」への旅は小型の「探検船」の役割でした。最近では、大型クルーズ客船が秘境も訪れるようになり、南極やアラスカにもたくさんの船が訪れています。「耐氷船」は極地の氷海で衝撃に耐えて航行できる強固な船体と強力な機関を持つ船で、更に「砕氷船」になると、厚い氷で覆われた海を、氷を砕きながら航行することができるのです。氷に乗り上げて割るのに適した船首や、氷の圧力を下方へ逃がすための船底の特殊な形状、そして強力なエンジンを持つのが一般的で、船体を傾けて氷に乗り上げ、船の重量で氷を割る機能も持ち、船底が丸く少しの波でも大きく揺れ、スピードが出ない、という弱点があります。最近は、砕氷構造よりスピードと乗り心地、そして大量輸送に重点が置かれ、一般の構造のクルーズ船が、氷の海に行き、大きな氷は避けて砕けた小さな氷を押し分けながら進む方向になってきました。

クイーン・エリザベス、ハッバード氷河、アラスカ

飛鳥U、南極半島

セブンシーズ・マリナー、ハッバード氷河、アラスカ


アイランド・スカイ、南極半島

ダイヤモンド・プリンセス、グレーシャーベイ、アラスカ

ザーンダム、南極半島


オリオン、ロス海、南極

ワールドディスカバラー、南極

クリスタル・ハーモニー、グレーシャーベイ、アラスカ


シー・スピリット、南極半島

リンドブラッド・エクスプローラー、南極

グレッグ・モーティマー、南極半島


 ◆ 海の一言 :『スコール』


一般的には「熱帯地方で急に降るにわか雨」です。気象用語の「スコール」は「雨や雷を伴うこともあり、急に強くなる強風のこと」だそうです。「ほぼ毎日のように、急に激しく降る大粒のにわか雨」で、短時間で止む、とされています。気象用語の「スコール」の定義は、短時間に8.2m/秒(16ノット)以上、風が強くなり、風速11.3m/秒以上の風が吹く。少なくとも1分間は続く天気で、雨や雷を伴うこともある、とされるそうです。局地的な積雲・積乱雲から降る「にわか雨」であり、「通り雨」の事です。雷なしでも風と時間の条件をクリアできれば「スコール」で、雨が降らない「スコール」もあり、積乱雲の下に生まれる下降気流が、地面にぶつかって水平方向に吹く風を指します。つまり、積乱雲が発達すれば、熱帯地方に限らず「スコール」が発生する可能性があるのです。航海用語で「スコール」は「狭い範囲に発生する激しい嵐」のことを指します。「スコール」の語源は、スカンジナビアの言葉と考えられ、「ノルウェーのskval=急な水の流れ」、「スウェーデンのskvala=吹き出す、降り注ぐ」などが語源だと言われています。

サイパン、ミクロネシア

カリブ海

ハワイ、アメリカ




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