2023年7月のテーマ写真館




 《 世界のチョウチョウウオ(太平洋中・東部編) 》


スズキ目・チョウチョウウオ科に属し、熱帯から温帯にかけて生息する偏平し、体高が高い魚がチョウチョウウオです。遊泳力は小さく、岸近くの環境に頼って生活します。しかし、浮遊卵を産むため、ふ化までや、幼少期に流されて移動し、季節回遊しますが、海域ごとの交流が少ない魚です。黄色、白、ブルー、オレンジ、白、黒などで鮮やかに見えますが、中にはハワイの黒いトンプソンバタフライフィッシュのようなものも見られます。

アオタテジマチョウチョウウオ、マウイ島

ミレッドシードバタフライフィッシュ、モロキニ島

コガネチョウチョウウオ、ハワイ島


スミスバタフライフィッシュ、ピトケアン島

ティンカーズバタフライフィッシュ、マウイ島

バーバーフィッシュ、コスタリカ


トンプソンバタフライフィッシュ、ハワイ

イースターアイランドバタフライフィッシュ、イースター島

イーストパシフィックバタフライフィッシュ、バハ・カリフォルニア


マルケサンバタフライフィッシュ、マルケサス島

タヒチバタフライフィッシュ、タヒチ島

サイズバタフライフィッシュ、バハ・カリフォルニア


 ◆ 海の一言 :『ザトウクジラ』


髭クジラ亜目・ナガスクジラ科・ザトウクジラ属に分類され、和名は吻端から噴気孔にかけて僅かな隆起線があり、背びれと背中の瘤(こぶ)が琵琶をかついた昔の座頭(江戸期における盲人の按摩、鍼灸、琵琶法師など)に似ていることからきていると言われています。英名も「humpback whale(せむしの背中の鯨)」と呼ばれています。属名Megapteraは古代ギリシャ語で「巨大な翼」の意で、体長11〜16mの3分の1にも達する細長い大きな胸びれに由来します。南半球では主にオキアミ類を食べますが、最近の研究では刺激を与えるとオキアミが密集する習性を利用し、尾びれでオキアミの水面上に水をかけ、集まったところを捕食することもあるそうです。また、小魚を捕食する際に気泡を用い、噴気孔から息を出して(気泡網)や大規模な(気泡雲)を発生させて獲物を下から水面に押し上げながら密集させて捕食するバブルネット・フィーディングも行います。

せむしのような背中(今は差別用語となっていますが)

長い胸びれが特徴的

バブルネット・フィーディング




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