2023年5月のテーマ写真館




 《 「ハナダイ」と呼ばれる魚 》


海水魚の中でもピンク、黄色、オレンジ、ムラサキなど暖色系の派手な色彩の「ハナダイ」の仲間はとても美しい魚です。綺麗な姿から「ハナダイ」と呼ばれますが、標準和名で「ハナダイ」いう魚はおらず、スズキ目・ハタ科・ハナダイ亜科などに分類される魚の総称で、分類とは異なります。代表的な種はキンギョハナダイで、千葉県以南のインド-太平洋のサンゴ礁域に広く分布しており、生息地により若干の色彩バリエーションが知られています。「ハナダイ」の仲間は英語で「アンティアス」と呼ばれて人気で、浅場からやや深海までみられ、生活様式は種によってさまざまで、雄雌で色や体形が違ったり、婚姻色に染まる種もおります。様々なハナダイの美しさをお楽しみ下さい。

キンギョハナダイ雄

ケラマハナダイ雄

アカオビハナダイ雄


キンギョハナダイ雌

ケラマハナダイ雌

アカオビハナダイ雌


オシャレハナダイ

ニラミハナダイ

スミレナガハナダイ


カシワハナダイ雄・婚姻色

カシワハナダイ雄

スミツキハナダイ


シキシマハナダイ

アズマハナダイ

スジハナダイ


ナガハナダイ

バラハナダイ

マダラハナダイ


 ◆ 海の一言 :『アカイサキ(赤鶏魚)』


「イサキ」と付く名前ですがイサキ科ではなく、ハナダイ科に属する魚です。暖海性で、ハワイ諸島やオーストラリア、チリ北部などに広く分布し、日本では南日本の水深80〜200mの岩礁帯や砂礫底に小さな群れで生息しています。小魚やイカ、エビなどの甲殻類を捕食します。体高が高く体は扁平し体長は最大40p程度になり、雄雌同体の魚で30p程の大きさまでは雌で色彩がやや地味で、大型になると雄に性転換して派手になります。雌は全体が黄味がかった赤で、雄は黄味がかったピンク色や不規則な黄色の縞があり、眼を通る数本の黄色い帯が目立ちます。背ビレ棘条後半辺りに明確な黒い斑紋があり、全体に派手な色彩となります。産卵期の冬場には雄を中心としたハーレムを形成すると考えられています。

アカイサキ雌

アカイサキ雄




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