2023年4月のテーマ写真館




 《 インド・太平洋の大型キンチャクダイ 》


キンチャクダイ科は8属で構成され、サンゴ礁に生息する82種がおり、鮮やかで美しい体色をもつものが多く、大型種は「ヤッコの仲間」として親しまれ、英語ではエンジェルフィッシュ「天使の魚」と呼ばれます。体色は成長段階によって変化し、稚魚と成魚ではまったく異なる色彩・斑紋のものが多いです。キンチャクダイ科の多くは雌性先熟型の雌雄同体で、すべての個体が最初は雌として生まれて成長し、大きくなると雄に性転換します。側扁した平べったい体型をもち、チョウチョウウオ科の魚に似ますが、前鰓蓋骨にチョウチョウウオ類にはない棘があります。

サザナミヤッコ成魚

タテジマキンチャクダイ成魚

アデヤッコ成魚


サザナミヤッコ幼魚

タテジマキンチャクダイ幼魚

アデヤッコ幼魚


ワヌケヤッコ成魚

ロクセンヤッコ成魚

セダカヤッコ(イエローバンドエンジェルフィッシュ)成魚


ワヌケヤッコ幼魚

ロクセンヤッコ幼魚

セダカヤッコ(イエローバンドエンジェルフィッシュ)幼魚


アラビアンエンジェルフィッシュ成魚

イナズマヤッコ成魚

オールドウーマンエンジェルフィッシュ成魚


イヤースポットエンジェルフィッシュ成魚

イナズマヤッコ幼魚

オールドウーマンエンジェルフィッシュ幼魚


 ◆ 海の一言 :『マスクドエンゼルフィッシュ』


ハワイのオアフ島の水深70m以上で1975年に発見された魚で、しばらくは幻の魚、とされていました。その後、ハワイ北方諸島のミッドウエーの水深20m以内にも多くいることが分かった魚です。体色は白ですが、顔にマスクをかぶったように黒の模様があり口先だけが白。そして尾びれ付近も黒く、雌性先制で生まれた子供や若い個体はすべて雌で、成熟して雄になると尾びれ付近の黒だけがそのままで、顔のあたり全てと、尾びれ以外の各ひれがオレンジ色に変わるのです。私も初めてミッドウエーで見かけたときは、雄雌がまるで別種と思われたほどです。

マスクドエンジェルフィッシュ雄

マスクドエンジェルフィッシュ中間型

マスクドエンジェルフィッシュ雌




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