2023年2月のテーマ写真館




 《 ブダイの仲間 》


ブダイ科の魚類にはブダイ、アオブダイなど88種がおり、すべてが海水魚で世界の温帯〜熱帯域に広く分布します。海草を主食とする魚や、生きたサンゴを食べるカンムリブダイのような魚もいますが、ブダイ科魚類は一般的に死んだサンゴに付着した藻類を削り取るように摂食します。胃をもたず、齧りとったサンゴを発達した咽頭歯で細かくすりつぶして、藻類のみを摂取します。大きなブダイ科の魚が食する死んだサンゴは細かな砂となって排泄され、1個体あたり年間1トン以上にもなるそうです。ブダイの顎の歯は癒合して一枚の歯板となっており、オウム(英語・パロット)のくちばしに似るためパロット・フィッシュと呼ばれます。夜間はサンゴの間や岩陰などに身を潜め、一部の種類は体表から粘液を分泌して寝袋のようにして体を中に入れて眠ります。ほとんどの種類が性転換を行い、多くは成長につれて雌から雄に変化する雌性先熟だそうです。

アオブダイの歯

ブダイにかじられたサンゴ

カンムリブダイの歯


サンゴを咥えるオオモンハゲブダイ

サンゴを咥えるオオモンハゲブダイ

サンゴを咥えるナンヨウブダイ


サンゴを食べて砂をはくカンムリブダイ

サンゴの砂の糞をするヒブダイ

ブダイが作る砂


膜を張って寝るオウムブダイ

膜を張って寝るナンヨウブダイ

膜を張って寝るハゲブダイ


イロブダイ幼魚

イロブダイ成魚

ヨーロピアンパロットフィッシュ♀


ヒブダイ

ヒブダイ♂

ヒブダイ♀


イチモンジブダイ♂

イチモンジブダイ♀

オオモンハゲブダイ


オビシメ

オビブダイ♂

オビブダイ♀


ナガブダイ♀

ナガブダイ♂とコバンザメ

ブダイ


 ◆ 海の一言 :『ケルヴィン波(Kelvin wake pattern)』


「航跡波」、「航走波」、「引き波」、「曳き波」などと呼ばれ英語でship wave、sailing wave、wakeなどと表されます。流れの中で静止する物体(ブイや小島など)、または水面を航行する物体(船舶や水鳥など)の下流側水面に航跡波が生じます。水面を船舶が航行すると、船首が押しのけた水が船首波を生み、船首波は波源から外に広がっていく、航跡波=ケルヴィン波ができます。これを最初に数学的に解明したのはイギリスの物理学者ウィリアム・トムソンで、爵位に由来するケルヴィン卿(Lord Kelvin)の名で知られ「ケルヴィン波」と呼ばれます。船が水面につくる模様であるケルヴィン波形のパターンが発生するのは、運動する物体を頂点とする2本の航跡線が左右に伸びてVの字を作ったもので、楔形の半頂角は 19°28' となる事がケルヴィン卿によって証明されています。




海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。