2022年11月のテーマ写真館




 《 南極半島 》


南極半島は南極海に向かって南緯75度付近から南緯63度まで伸びるS字状の細い半島で、半島北部は南極圏外です。ドレーク海峡を挟んで南アメリカ大陸が距離的に近く、夏にはたくさんの観光船が訪れます。南極大陸を巨大なフライパンとすると、ちょうど持ち手の部分が南極半島に当たります。内陸部に比べて気候も穏やかで、半島の周辺には多くの島があり、世界各国の観測基地も多くあります。南極大陸の内陸部は月平均気温が一年中 0℃以上にならない「氷雪気候」であるのに対し、南極半島の北端付近の気候は「ツンドラ気候」で、最も暖かい月の平均気温が0度以上10度未満となります。たくさんの氷河がありますが、ジェンツーペンギン、マカロニペンギン、アゴヒゲペンギンなどの繁殖地があり、ウェッデルアザラシ、ナンキョクオットセイなども繁殖します。そしてたくさんのクジラたちの餌場となっているのです。

ザトウクジラ

氷山

ジェンツーペンギンと観光船


ジェンツーペンギン親子

アゴヒゲペンギン

ウェッデルアザラシ


アデリーペンギン

溶けた氷山

ヒョウアザラシ


氷山

マダラフルマカモメ

カヤックの人


ゾディアックの人々

アルゼンチンのアルミランテ・ブラウン基地

南極観光船


 ◆ 海の一言 :『刺胞動物』


刺胞動物は、ポリプを持つ約11,000種にものぼる動物の総称で、ほぼ全てが海産で、触手に「刺胞」と呼ばれる毒液を注入する針を持ちます。以前、有櫛動物(クシクラゲ類)と共に腔腸動物門とされていました。腔腸動物は口と肛門が同じで、口から食べ物を体内に入れ、再び肛門である口から排泄を行う動物です。サンゴやイソギンチャクのように付着性のポリプ型と、漂泳性のクラゲの2種類の様式があり、ポリプはほぼ円筒形で、口とは反対側で物に付着し、口盤の周囲に触手を持ち食物をとります。イソギンチャクのように単体のものから、サンゴなどのように群体を形成するものもいます。クラゲは傘状でその周囲に触手が並び、プランクトンとして浮遊生活をしています。付着生活とプランクトン生活のどちらか一方のものもありますが、成長につれてこれらの様式を交互に繰り返していく種も多いです。刺胞動物はすべて基本的には肉食性で、触手に接触した動物を刺胞の毒で麻痺させるなどして摂食しています。

ミズクラゲ

アザミサンゴ

ヒダベリイソギンチャク




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