2022年8月のテーマ写真館




 《 ウツボの仲間 》


ウツボ科の魚は世界各地の温暖な浅海に生息し、全長20cm程から4m程度までの細長い円筒形で、腹鰭が退化し、背鰭・尾鰭・臀鰭が一繋がりになっている魚です。鋭い歯と大きな口を持つ肉食で、魚類・甲殻類・頭足類などの小動物を捕食し、タコ類が大好物です。捕らえた獲物を飲み込むため、口顎の奥に食べたものを食道に進めるための「咽頭顎」を持っています。和名「ウツボ」は、長い体が弓の矢を入れる容器「靫」(うつぼ)に似ているという説や、岩穴に潜む習性から空洞を意味する古語「うつほら」が転用された説もあります。基本的には巣にする穴からあまり動かず、岩陰などに潜んで獲物を待ち伏せますが、夜になると海底近くを泳ぎ回ります。

トラウツボ

サビウツボ

ナミウツボ


ワカウツボ

ハワイウツボ

ミゾレウツボ


ハナヒゲウツボ成魚

ハナヒゲウツボ若魚

ハナビラウツボ


ウツボ

グリーンモレイ

ゴマウツボ


ゼブラウツボ

ニセゴイシウツボ

クモウツボ


シマアラシウツボ

ドクウツボ

オキノシマウツボがタコを襲う


 ◆ 海の一言 :『ルアー(lure)』


いわゆる「疑似餌」のことで、エサとなる動物に似せたものなどに針を仕込むのが基本です。ラインを巻きながら竿を動かし、引くと沈むもの、浮くもの、回転するもの、左右に振れるものなど、魚のエサとなる動物の動きに似せた動きをさせるのも基本です。スクリューが付いて回転し音を出すもの、キラキラさせて気を引き近寄ってきたらエサに似せたものに食いつかせるもの、などいろいろ狙う魚に合わせてさまざまな改良が繰り返されています。ルアーを用いた釣りのことを「ルアーフィッシング」と呼び、ぬるぬるしたエサをつける必要がなく、ゲームフィッシングとして親しまれています。その昔、ボートで釣りをしながら食事していて食器のスプーンを落としたところ、それを魚が追ってきて大きなヒントになった話は有名です。ルアーには、大きく分けて「ハードルアー」と「ソフトルアー」があり、ハードルアーは、木材や金属、樹脂、プラスチックなどさまざまなものが使われ、成形は中空構造で音を発したり、中に入れたウエイトを可動式にしたりして多様で高性能なルアーも多く誕生しました。釣りの対象となる魚は小魚や甲殻類などを捕食するため、ルアーを操作し、エサになる「ベイト(小魚など)」のように見せることで食いつかせます。奥が深く、海の状況、時間帯などによって毎日食いつきの良さが異なるため色々確認し、その場に合ったルアーを選択し、小魚が溜まりそうな場所にルアーを通したり、逃げ惑う小魚を演出したり、試行錯誤します。試したルアーに魚が食いついたり、自分が工夫して操作するルアーの動きで爆釣できたときなどは、何事にも代えがたい喜びになります。一方、昔のソフトルアーは豚の皮、動物の毛や羽などを材料に作られていましたが、ラバー、シリコン、ポリ塩化ビニルなどの登場により多様化し、近年では、塩やアミノ酸を混ぜ込んでドーピングした餌のようなソフトルアーも登場しています。最近は、独創的なルアーも多くなり、考案者がさまざまな名前を付けています。

スプーンタイプ

ラインをひくと沈むミノー

ルアーのトローリングで釣り上げられたカツオ




海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。