2022年4月のテーマ写真館




 《 アザラシpart2 》


アザラシの「アザ」は「痣」、「ラ」は接辞「之」で、「シ」は「獣」のこと。北海道近海に来るゴマフアザラシを見て、体表に黒い斑点がある「痣のある獣」の意味で名付けたものだと思われます。アザラシの漢字「海豹」は、豹のようなアザのある獣の当て字です。英語のSealはスカンジナビアのゲルマン祖語の[selkhaz]という言葉が由来で、[seal]という単語になったとされています。ゴマフアザラシの子供は真っ白な産毛に覆われて生まれ、母乳で3週間ほど育てられると体毛は生え変わり、親と同じゴマ模様のアザが現れます。アザラシ類は通常2〜4週間の短い授乳期間をへて独り立ちしますが、ズキンアザラシの授乳期間は哺乳動物で最短の4日のみと短いです。アザラシの特徴は、耳たぶがない、四肢で体を支えられないので這う、後肢を横に振って泳ぐ、などで、ミナミゾウアザラシはアザラシ科の中では最大で、雄の体長は7m以上もあり、体重は4400kgに達します。

パシフィック・ハーバーシール

ミナミゾウアザラシ

ゴマフアザラシ


クラカケアザラシ

カスピカイアザラシ子供

タテゴトアザラシ子供


ロスアザラシ

アゴヒゲアザラシ

ワモンアザラシ


キタゾウアザラシ

バイカルアザラシ

ヒョウアザラシ


ズキンアザラシ

チチュウカイモンクアザラシ

ゼニガタアザラシ


ハイイロアザラシ

ゴマフアザラシ

ウェッデルアザラシ


 ◆ 海の一言 :『エンゼルフィッシュ(Angelfish)』


一般的に「エンゼルフィッシュ」というと、カワスズメ科の15cmほどになる淡水魚を指します。主に南米・アフリカと一部アジアに分布する魚で、特にアマゾン水系に多く、体は側扁し、銀白色の地に数本の黒色横帯があり、背びれやしりびれが長く伸びます。しかし、こうした淡水魚とは全く違う海水魚のヤッコやキンチャクダイの仲間の多くが英語で〜エンゼルフィッシュと呼ばれるため混乱します。海水魚ではキンチャクダイ科の魚を指し、前鰓蓋のところに大きな棘があり、似た形のチョウチョウウオ科とは区別されます。小型のものから全長50cm近くになる大きいものまで知られ、フレームエンゼルフィッシュ、コルテツエンゼルフィッシュ、クイーンエンゼルフィッシュ、フレンチエンゼルフィッシュ・・・などと名が付くのです。 日本に生息する魚では英語名ではなく標準和名で呼ばれることが多く、
タテジマキンチャクダイ⇒Emperor angelfish
サザナミヤッコ⇒Semicircle angelfish
シテンヤッコ⇒threespot angelfish
などです。

アルタムエンゼルフィッシュ(淡水魚)

タテジマキンチャクダイ

フレームエンゼルフィッシュ




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