2021年10月のテーマ写真館




 《 いろいろな氷河‐Glacier 》


降り積もった雪が上からの圧力などで圧縮されて氷となり、自重によってゆっくりと流動していく氷塊を氷河とよびます。氷河は平坦な場所に降り積もり「氷床」と呼ばれ時に何千mもの厚さにもなる南極大陸やグリーンランドの大陸氷河と、山々の谷間に形成される山岳氷河に分類できます。氷原は氷床に似ますが、氷床に比べると厚さや面積が小さく、アイスランド、北極海の島々、ブリティッシュコロンビア州南部からアラスカにかけての地域などに見られます。山岳の斜面にできるものは「懸垂氷河」、谷間を流れ下る「谷氷河」、山頂付近の凹所にできるものを「カール氷河」と呼んでいます。グリーンランドの氷床が全て融解した場合には6m、南極で融解すると65m海面が上昇するとされるほどの、膨大な水分が氷として蓄えられているそうです。カービング氷河は、末端が海または湖に流れ込んでいる氷河で、海や湖に到達すると崩れ落ちるか、あるいは分離して氷山を形成します。アラスカで最も氷河前面が長いカービング氷河であるハッバード氷河は、10kmもの距離に渡って海に面しています。

氷河、グレーシャー・ベイ、アラスカ

カービング氷河、アラスカ

氷河が解けた氷の池、アラスカ


ハッバード氷河、アラスカ

谷氷河、アラスカ

U字谷、ノルウェー


崩れる氷河、アラスカ

懸垂氷河、アラスカ

氷河、グレーシャー・ベイ、アラスカ


トレーシー・アーム、アラスカ

クレバス、南極

湖に浮かぶ氷山、アラスカ


氷河のモレーン、アラスカ

棚氷、南極

カール氷河、ニュージーランド


氷床を歩く、南極

氷床の青氷、南極

氷床の青氷、南極


氷河が解けて流れ出る、アラスカ

マージェリー氷河、アラスカ

コロンビア氷河、アラスカ


クレバス、南極

懸垂氷河、パタゴニア

氷河のモレーン、アラスカ


 ◆ 海の一言 :『魚の鱗(うろこ)-Fish scale』


魚類の皮から生じた体表を覆う骨質の保護小片で、種によって大きさ、形状、構造、範囲が大きく異なり、大部分の魚類は反射や色彩を使った保護色など効果的なカモフラージュにしたり、泳ぐうえでの利点になっています。鱗の形態は、魚の種を識別するのにも使用されており、サメ、エイ類に見られる楯鱗(じゅんりん)は、皮歯ともいわれ、ほぼ全身を覆い、後ろ向きに撫でるとざらつく棘の抵抗があるが、前方からでは流体力学的に抗力や乱流を減らす小さな渦を発生させ、泳ぎをより効率的で静粛にしてくれます。ハリセンボンなどの棘は鱗の後縁が発達したもので、成長帯と休止帯の繰り返しにより年輪ができ、年齢が推定できます。ハコフグ科は、鱗板が融合して硬い外骨格の甲羅を形成して体を覆って身を守ります。また、ニザダイ科には、刃物状に変形した鱗が尾の直前にあり身を守ります。アカエイの尾にある刺すための棘、ノコギリエイやノコギリザメのノコギリ歯は、変形した鱗です。ニシン、サヨリなどには生え変わる鱗があり、剥がれやすく、捕食者から逃れる手助けに使われます。このように、鱗には様々な形態があり、特性のある魚鱗は一部の化粧品で使用され、化粧用ファンデーションや口紅のきらめく効果にも使われます。

コンゴウフグ

ハリセンボン

サガミザメ




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